製作裏話
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紙を入れると表情の変わるクリアファイル。

当社の売れ筋商品の「マジッククリアファイル」ですがそもそもなぜ色が変わったり、絵柄が変わったりするかと申しますと印刷の仕方が独自のポイントとなります。

通常のクリアファイルは裏刷りオフセット4色印刷+白+キズ止ニス の 計6色で表現し内側から外側に絵柄が向くように印刷をします。

マジッククリアファイルは通常の裏刷りオフセット印刷と 表刷りオフセット印刷を混在させ、絵柄を干渉することにより、独特の変化をもたらします。

その色数合計 9色!! PPFACTORYではフィルム原反専用UVオフセット機で最大となる11色まで表現可能です。

この印刷がオンリーPPFACTORYです。

PP、PETパッケージを常に大量生産しており、コーポレートカラーやブランディングカラー等特色を数色使用して大量印刷出来る施設をクリアファイルに生かした商品を開発しました。

PPFACTORY 大森です。

本日はクリアファイルの色校正についてお話させていただきます。
色校正には大きく3つ有ります。
①簡易校正(紙校正)
簡易校正は専用紙に出力したもので、主に再校正の際の念校(念の為に出しておく)為に使われます。
チョットした文字の変更やレイアウトの変更の際は安価で有効ですが色味確認や全体の校正として利用するには注意が必要です。
また、クリアファイル特有の透明の所と不透明な所の区別が出来ない点や枚数毎に料金が必要なのでその辺も加味して使用することをお勧め致します。
紙に出力と言っても通常のIJプリンターやレーザープリンターとは違いオフセット印刷の色表現に近い処理や疑似網点等の処理をされていることが多いので何もしないよりは安心出来ます。

②通常校正(本紙校正)
一般的な印刷の校正で一番多いのがこのパターンです。予定している本当の用紙(クリアファイルの場合は透明PP)にオフセット印刷して色味や不具合を確認致します。
色味以外ではゴースト現象(ベタ塗りに薄ら跡が残る現象)やモアレ(網点が干渉して規則的な模様が発生してしまう)等不具合を事前チェック出来ます。
透明と不透明のチェックも出来ます。
ただ、校正機という実際の印刷機の簡易版的な機械で印刷するので極微妙な色味やグラデーションの微妙な違いが発生することがあります。

③本機校正(実機校正)
本当の印刷機を使って色校正を印刷することを差します。会社によっては本番とは違う校正用の印刷機使う場合も本機校正(本当のオフセット印刷機)と呼ぶ場合もありますので当社では実機校正と呼んでおります。
紙・インキ・機械全てに渡って本番と同じ条件で印刷するので問題なければほぼ同じものが再現されます。
但し、印刷予備や印刷特有の設定などに要する時間が本番と変わらない為、コストもそれなりにかかってしまいます

実際製作するクリアファイルの部数とデザインの難易度によって、組み合わせることをお勧め致します。
ご相談にも乗らせていただきますのでお気軽にお問合わせください。

PPFACTORY 大森です。

今日は校正(色校正)についてお話させていただきます。

色校正って絶対必要なの?校正代はカットできるの?などご質問をいただく機会が多いですが、どんなときに必要でどんなときには必要ないか傾向をご紹介させていただきます。

必要と思われる場合

①数量が圧倒的に多い場合。
 当社のお客様の傾向として、代理店・SP・印刷関連のプロフェッショナルが多いためかなりの確立で色校正をとられる方が多いです。

②マジッククリアファイルの場合。
 マジックのデザインにもよりますが微妙な色味の変化が必要な場合は私どもも予想がつかないことが多いです

③透明や色透明などを多用している場合。
 透明素材に印刷するクリアファイルの場合、インクジェットの出力や画面上では確認しづらいもっとも多いパターンです

CMYKの印刷物を経験された方であれば、基本的な色身は紙と同じ方向で出てきますので「赤が青にならなければいい」と言う需要であれば校正は必要ないかもしれません。

ただ③のような場合が一番癖が悪く、もめることが多いように思われます。

他にこんな場合は強く校正をお勧めいたします。

ア)全体をベタもしくは網点同色で表現したもの
 (ムラやゴーストが発生しやすいです)

イ)空や海などグラデーションがほんのりあるような場合
 (グラデーションのイメージが異なる場合があります)

ウ)細かい文字だけで構成されており、且つバックが透明の場合
 (基本的にはクリアファイル向きではありませんので白版のズレ等をチェック、またはデザイン変更をお勧めいたします)

事前にデザイン案をご相談いただければ、傾向をご説明させていただきます。

お気軽にお問い合わせください。

特色を使ったクリアファイルの後編です。

前編で使う意味が無いようになってしまっておりました特色ですが次のような場合は非常に有効性が出てきます。

まず第一に

1)色数が少ない大量ロットクリアファイルの場合。

これは前編でご説明した数時間かける色換えをしても圧倒的に安定した色を短時間で提供できる場合です。当然コストも抑えられます。

次に

2)厳密なコーポレートカラーやブランドカラーが入ったクリアファイルの場合。

特色自体をCMYKで表現することは大よそ可能ですが、一緒に印刷されるタレントさんや商品の色を調整しながらコーポレートカラーを表現するのは非常に難しいです。どちらかを調整するとどちらかがズレていくからです。そのような時には特色をお勧めいたします。PPFACTORYならコーポレートカラー・ブランドカラーなどと一般的なCMYK+白+ニスを合わせた11色まで一回の印刷で表現できます。

3)難しい色表現のクリアファイルの場合。

たとえば全体モノトーン調で商品のみフルカラーのデザインの場合(某高級ビール等)、商品のイメージを合わせながらその他モノトーン調(実際はCMYKが微妙に混じった白黒)を表現することは至難のワザです。このような時にも特色を有効に使います。

他にも前述で発色が悪いと言っていた銀なども面積が多い場合、CMYKの表現より、やはり高級感が増してきます。これ実際やってみて分かったのですがさすが特色と実感しました。

ケースバイケースですが迷ったらお気軽にお問い合わせください。

特色すげーな と思っている 大森でした。

PPFACTORY 大森です。

皆さん こんなこと言われた経験はありませんか?

①「特色だと逆に高くなってしまいます。」

②「特色をつかっても高くなるだけでそんなに効果が無いですよ!」

実は私もそう言っている張本人です。

これはクリアファイルという透明な原反を使うことと 透明原反に印刷するためのUVオフセットインキが要因のコメントです。

①はインキの入れ換えによるものです。

通常セットインキといわれるフルカラーを表現する為のCMYKが印刷機に準備されております。クリアファイルの場合、これに白 と ニスの 計6色が標準となっております。 特色をつかう為にはこのCMYKのどれかを抜いて入れ換える必要があります。

入れ換えると言っても容易いことではなく、前のインキを綺麗に取り去り特色を入れ、安定させる必要があります。戻すときはこれと反対のことをする必要があります。その為に数時間の時間が必要になります。

また、特色1色といっても 白とニスが必要なので実際には3色以上になります。

その為、特色を何色か使うとフルカラーCMYKより高くなっていってしまいます(時間がかかってしまいます)

②はUVオフセット印刷(紫外線で硬化させる印刷)用の特色のバリエーションと発色によるものです。

金・銀・蛍光色が代表的なものですが残念ながら現状、一般オフセットインキの特色に比べるとまだまだ発色が劣る傾向にあります。近年発色の良いUVオフセットインキも増えてきておりますが裏刷りという 印刷方法も影響していると思われます。

ただ まったく意味が無いかと言うとそうでもありません。

有効事例は次回ご説明させていただきます。

いつもお世話になっております
フルカラークリアファイル大好き人間【ppfactory】桜木です 。 

 

本日のテーマは墨ベタバックを美しくするクリアファイルです。

 

昨日ネットを見ていたら、気になるクリアファイルがありました。

↓コチラ

http://bid.s96.xrea.com/item/151965129

です。

ヒューレットパッカード(HP)社の2011年冬モデルのキャンペーンノベルティ

キャラクターはAKB48さんでバック(背景)が墨(黒)ベタのB5クリアファイルなのですが、

この墨ベタバックはどういう仕様(設計)にしたのか、

作り手としては大変気になる一品です。

 

考えられる設計は、

1.墨100%+白+ニスで設計する。

2.墨100%+藍紅黄をそれぞれ40%(いわゆるリッチブラック)+白+ニスで設計する。

3.背景だけ別版で墨100%をもう1版つくり、墨を2色印刷として設計する。

なのですが、

 

1.でやったならば、バックの墨はちょっとスカスカな感じで仕上がっていると思います。

 

お客様のほうで「OK!」となれば悩むことはないのですが、

これじゃイヤだなあ・・・、

背景はもっと美しくてしっとりとした黒にしたいなあ…となりますと、2か3となります。


 

さて3.は、見当ズレも計算しW版のベタは小さくする関係で、

上のロゴや小さい文字のフチ、人物の輪郭のフチがあまりよろしくない感じにできそうなので

今回はやらないほうが良いですね。。


なので基本方針は、2.となります。


とは言うものの、3色を入れたリッチブラックは、見当ズレのリスクが大きいのと、

大量枚数の時は、

印刷をしているうちに色が青くなったり、赤くなったりするのので色調不安定のリスクがあります。

 

とくに今回はAKBさんのような芸能人のクリアファイルですので、

ここでもうひと工夫したほうがよさそうです。

 

で、オススメなやり方としては

本番での見当ズレと色のブレを回避し、しっとりとした墨を表現するために、

最初はあえて墨に一番近い色である藍を30%だけバックに入れて、校正を出します。

これでOKとなればそれで進め(やや青っぽいしっとりとした墨ベタになります)、

墨が青いね~と言われたら、紅を30%バックに加えて改めて校正を出すという感じで進めていくのがオススメです。

 

でも実際はどうやったのかしら?

大変気になる一品であります。

 

20110404PPFACTORY桜木

PPFACTORYのクリアファイルは、自社製のPPシートに、最新のUVオフセット印刷機で印刷されますが、本日はその印刷の歴史についてお話いたします。

 

現在クリアファイルの印刷は、通常オフセット印刷、あるいはシルク印刷で行われます。フルカラーの印刷ならばオフセット、ロゴのみや隠蔽製の高いベタ、ラメ加工をしたいときはシルク印刷で行われる例が多いです。そのほかに、箔押しやフォイルを使ってメタリック感を出す印刷加工があります。

 

しかしクリアファイルがオフセットで印刷されるのが普通のことになったのは、実はこの10年ぐらいの比較的新しい出来事です。

 

なぜかというと、クリアファイルを印刷するオフセット印刷機は、UV乾燥方式のオフセット印刷機でなければまずNGだからです。そしてUVオフセット印刷機が普及したのが、この10年ぐらいの出来事なのです。

 

それまでは、シルクと箔の全盛時代でした!!

 

さて、PPFACTORYの工場でUVオフセット印刷が始まったのは、さらに10年前の1990年代初頭のことです。まだUVオフセット印刷がまったく普及していなかった、今から20年前の出来事です。当時は油性のオフセット印刷機に、無理やりUV乾燥装置を取り付けて印刷することから始まりました。

 

まさに業界の魁!でした(チャレンジャーとも言う)。

 

しかし、先駆者は必ず苦労をするもの、機械は無理やりの改造品、UV印刷用インクも当時は油性に比べると発色が悪い&不安定で、印刷技術者の腕でなんとかするという悪戦苦闘の日々でした(まあ、そういうことがあるから印刷の腕前が上がるのですけれども・・・。)PPシートも印刷すると、どうしてもキズやら密着やらが悪く、現在の基準からするといまいちなものでしたが、それでも当時は印刷自体できるところがなかったので、重宝がられていたようです。

 

でも、油性オフセット機を無理やり改造してなんとかするのも限界がありますので、PP向けのUVオフセット印刷の専用機を導入することになります。でも日本の印刷機メーカーもまだそういう機械はまだ製造していなかったので、開発してもらうことになりました。そうして出来上がったのが、世の中にはまだない、PPが、慣れている人にはさほど難しくなく、安定して、色数が8色印刷できる(当時は夢の)UVオフセット印刷機です。プロトタイプモデルとして開発された本機が、PPFACTORYの工場で実戦投入され、そのデータがフィードバックされて量産機の設計に反映されるという流れが、当時はあったようです。

 

これが今から10年前ぐらいの出来事です。

 

その後PPFCTORYの工場には、第2世代、第3世代の(当時最新鋭)のクリアファイル印刷専用オフセット印刷機が導入され、現在は第4世代の最新鋭機械「11色が印刷できるクリアファイル専用UVオフセット印刷機」がクリアファイルの印刷を行っています。

 

まあこうして、クリアファイル印刷における機械的な問題は解決されたのですが、次なる開発テーマが急浮上します。

それは「じゃあ次は、クリアファイル用のPPシートを自社開発せよ!」です。

 

そのお話は、また別の機会に・・・。

 

(PPFACTORY桜木)

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